Webサイトが検索上位に表示されるには?SEOの仕組みや順位の上げ方を解説

新しくWebサイトが完成し「これで多くの訪問者が来て、問い合わせが増えるはずだ!」と思っていませんか?
時間と費用をかけて制作した素晴らしいサイトでも、残念ながら公開しただけでは、訪問者数が増えたり、検索エンジンの上位に表示されたりすることはありません。例えるなら、最高級の食材を使い、洗練された内装で、腕利きのシェフが腕を振るう最高のレストランをオープンしたとしても、その場所が誰にも知られなければお客様は一人も訪れないのと同じです。
では、どうすれば検索上位に表示され、サイトを多くの人に見てもらい、集客に繋げることができるのでしょうか?
この記事では、新規で公開したWebサイトが検索エンジンの上位に表示され、最終的にビジネスの成果に結びつくまでの過程を、具体的な戦略とともに詳しく解説します。サイト公開後の「認知」と「集客」を加速させるための、実践的なマーケティング戦略について見ていきましょう。
なぜWebサイトを公開しただけでは上位表示されないのか?
「SEO対策をしっかり施したWebサイトのはずなのに、なぜ検索結果上位に出てこないんだ?」
これは、多くの方が抱く疑問ですが、サイトが検索エンジンで上位表示されるには、時間とプロセスが必要だからです。
まず、Googleをはじめとする検索エンジンは、日々無数のWebサイトを巡回(クロール)し、情報を収集し登録(インデックス)しています。新規公開されたサイトは、このクロールとインデックスの対象になるまでに時間がかかります。
また検索エンジンは、どのページを上位に表示するかを独自のアルゴリズムに基づいて判断しています。このアルゴリズムは、Webサイトの品質、ユーザーの検索キーワードとの関連性などを多角的に評価しています。新規サイトは、これらの評価基準を満たすための実績や情報がまだ不足している状態であり、これらの評価を「これから獲得していく」段階にあります。
Googleをはじめとする検索エンジン提供会社も、自社の検索エンジンを多くの方に使ってもらいたいと考えています。そのため、検索結果に出てきたサイトに欲しい情報が掲載されていなかったり、疑問が解決できるようなサイトでなかった場合、ユーザーが離脱したり、最悪他の検索エンジンに乗り換えたりする可能性があります。だからこそ、評価基準を満たすための実績や情報がまだ不足しているサイトをすぐに上位表示にしないのは、当然のことと言えるでしょう。
「デザインとSEO対策を施せば上位表示される」という誤解
「プロに頼んで素晴らしいデザインのホームページを作ってもらったから大丈夫」
「SEO対策は万全だと聞いたから大丈夫」
と考えるのは自然なことですが、ここに大きな落とし穴があります。
もちろん、ユーザーにとって魅力的で使いやすいデザインは、滞在時間を延ばし、エンゲージメントを高める上で非常に重要です。しかし、デザインはあくまで入り口であり、上位表示や集客そのものを保証するものではありません。どんなに綺麗で美しい内装の店舗でも、その存在を知られなければお客様は一人も訪れないのと同じです。
また、サイト制作時のSEO対策は、検索エンジンにサイトの存在を知らせ、適切に評価してもらうための「基礎工事」のようなものです。上位表示のためには必要な基礎工事ですが、そこが本質ではありません。基礎がしっかりしていても、その上に「価値のあるコンテンツ」という建物がなければ、ユーザーに響くことはありません。ユーザーが本当に求めているのは、デザインの美しさやSEO対策の完璧さではなく、「自分の悩みを解決してくれる情報」や「欲しい商品・サービス」なのです。

SEOは大きく分けて2種類ある
検索エンジンの上位にホームページを表示させるための施策がSEO対策だ、ということをご存知の方も多いと思いますが、SEOは大きく分けて2つの種類があることをご存知でしょうか?
それは、「内部SEO」と「外部SEO」です。
どちらか一方だけを徹底しても十分な効果は得られにくく、両方をバランス良く継続的に実施していくことが、検索上位表示への近道となります。
内部SEO ー サイトの「中身」を最適化する
先述した通り、ホームページそのものの構造やコンテンツを、検索エンジンが理解しやすくするための土台作りが内部SEOです。ウェブサイトの「中身」を整える作業と考えると分かりやすいでしょう。
下記のような項目が挙げられますが、基本的には、Webサイトの裏側で行われる技術的なものなので、制作者側が考慮すべき内容になるでしょう。
- サイト構造の最適化
- キーワード選定と最適化
- メタタグの設定
- ファビコン・OGPの設定
- altタグ(代替テキスト)の設定
- 画像の圧縮
- モバイルフレンドリー対応
しかし公開後も、保守管理・運用をしていく中で、それらを保ち続ける必要があります。
外部SEO ー サイトの「評価」を高める
外部SEOとは、サイトが公開された後に、あなたのサイトの外部要因、特に他のサイトからの評価を通じて、検索エンジンからの信頼性や権威性を高める施策のことです。サイトの「中身」だけでなく、「世間からの評価」を高める作業と言い換えることができます。
これらは一朝一夕に達成できるものではなく、戦略的なマーケティングが不可欠です。この外部SEO対策こそが、サイトが上位表示されるための鍵になってきます。
Webサイト公開後の検索上位表示・集客戦略:5つの柱
それでは、Webサイトを公開した後、検索上位表示と集客を加速させるためにはどうしていけばいいのか、以下の5つの柱を中心にマーケティング戦略を組み立てていきましょう。
もちろん、会社の状況によって最適な施策は異なりますが、ここでご紹介する5つの柱は、サイトを成長させ、成果を出すために共通して重要な要素です。それぞれを理解し、自社のサイトに合った形で取り組んでいくことが大切です。
①:内部SEOの維持・継続
公開後も、Webサイトの裏側で行われる技術的な調整は重要です。
ホームページ制作時に内部SEO対策をしっかり行ったとしても、それはあくまで「基礎固め」に過ぎません。公開後も継続的な内部SEO対策が必要です。例えば、よくある例として、公開後にお客様側でブログを更新していく際に、容量の大きな画像をリサイズ・圧縮せずにどんどん格納してサイトが重くなってしまったり、アップロードした画像にaltタグがついていなかったり・・・といったことで、内部SEO対策は崩れてしまいます。
すなわち、公開後も管理・運用をしていく中で、それらを保ち続ける必要があるのです。「なかなか技術的な面は分からない」「本業がある中そこまで手が回らない」という方もいらっしゃると思いますので、制作会社に保守管理をお願いするのが一般的です。
②:検索意図を捉えたコンテンツSEOの強化(外部SEO)
技術的な基盤が整ったら、最も重要になるのが「コンテンツ」です。ユーザーが何を求めて検索しているのか(検索意図)を深く理解し、それに応える質の高いコンテンツを提供し続けることが、検索上位表示の最大の鍵となります。
具体的には、ターゲットユーザーが実際に検索するであろうキーワードを常に調査し、記事やページのテーマに落とし込みます。そして、そのテーマに沿って専門知識や役立つ情報をブログ記事として定期的に発信することで、検索エンジンのクローラーが頻繁にサイトを訪れるようになり、インデックスされるページ数も増えます。また、多様なキーワードでの流入が見込めるようになります。
ページの質が高いことが前提ですが、基本的にページ数が多いとSEOに強くなります(検索エンジンから評価されます)。サイトを本に例えると分かりやすくなります。3ページの専門書と、20ページの専門書、どちらを優遇するでしょうか?答えは明白ですよね。
図解や動画、事例などを活用し、ユーザーにとって分かりやすく、満足度の高いコンテンツを心がけます。競合サイトのコンテンツを分析し、それ以上の情報量や質を提供できればベターです。
特に重要なのが、Googleが提唱するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を意識してコンテンツを制作することです。

E: Experience(経験)
実際にその商品やサービスを使った経験、問題を解決した経験など、一次情報に基づいた独自の視点や体験談を盛り込むことです。単なる情報の羅列ではなく、リアルな使用感や具体的な成功事例などを共有することで、読者はより深く共感し、信頼感を抱きます。
E: Expertise(専門性)
特定の分野において、どれだけ深い知識やスキルを持っているかを示すことです。その道のプロフェッショナルとして、専門用語を適切に使いこなし、詳細な解説や分析ができることをアピールします。資格や実績なども、専門性を裏付ける重要な要素となります。
A: Authoritativeness(権威性)
その分野における情報源として、どれだけ業界内で認められているか、信頼されているかを示すことです。第三者からの評価や言及、著名な専門家からの推薦、関連機関からの認証などがこれに当たります。被リンクやサイテーション(SNSなどでの言及)の多さも、権威性を高める一因となります。
T: Trustworthiness(信頼性)
提供する情報が正確で、正直で、安全であるかを示すことです。これは、ユーザーが安心してサイトを利用できるか、情報に偏りがないか、プライバシーが保護されているかといったサイト全体の信頼度を意味します。具体的な例としては、プライバシーポリシーや利用規約の明記、セキュリティ対策(SSL化など)、連絡先の明確な表示、透明性の高い情報開示などが挙げられます。
③:他サイトからの評価を得る被リンクの獲得(外部SEO)
検索エンジンは、他の信頼できるサイトからどれだけリンクされているか(被リンク)を、そのサイトの信頼性や重要性を測る指標の一つとしています。良質な被リンクが多いほど、検索順位が上がりやすくなります。
当然、他サイトから引用や紹介をされるには、魅力的で良質なコンテンツがあることが前提となりますので、②で制作したユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツができてきたら、Instagram・X・FacebookなどのSNSを活用して、興味・関心のあるユーザー・フォロワーなどより多くの人に制作したWebページを認知させましょう。
そうすることで、共感・共有(シェア)されやすくなり、そのWebページが参照される確率も上がる、最終的に被リンクやサイテーションの獲得(ネット上で自社の情報が掲載・言及されること)に繋がります。
SNSだけではなく、業界の専門メディア・地域の情報サイトへの掲載や、プレスリリース配信としてメディアに取り上げてもらうという手もあります。また、セミナー開催・イベント出展・地域貢献活動などオフラインでの活動と連携させることにより、良質な被リンクが増えていくでしょう。
ただ、被リンクは「量より質」が重要です。関連性の低いサイトやスパムと見なされるようなサイトからの被リンクは、むしろマイナス評価になるため注意が必要です。
④:MEO対策で地域からの集客と知名度向上
実店舗を持つビジネスにとって、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、上位表示・集客にとって非常に重要です。
Googleビジネスプロフィールのアカウント運用を適切かつ継続的に行うことで(MEO対策)、Googleマップ上での検索結果の上位に表示されやすくなります。結果として、「地域にいる見込み客」があなたのビジネスを簡単に見つけ、来店や問い合わせといった具体的な行動へと繋がる集客効果を発揮します。
MEOについては、下記の記事を参照ください。



上記記事にもあるように、SEO上位表示されているサイトよりもGoogle Mapの方が上部にきていることが分かります。それだけクリック・閲覧されやすいということになり、実際、MEOのクリック率はSEO1位より高いのです。
⑤:確実な集客のための広告戦略
外部SEOやSNSは効果が出るまでに時間がかかりますが、即効性を求める場合は、費用をかけた広告戦略も有効な選択肢となります。
具体的には、リスティング広告・ディスプレイ広告を利用して検索結果の上部や提携サイトに広告を表示し、クリック課金形式で狙ったキーワードでの集客を狙う方法があります。また、Facebook広告・Instagram広告・X広告など、各SNSプラットフォームが提供する広告サービスを活用し、詳細なターゲティングで潜在顧客にアプローチすることも可能です。さらに、業界の専門メディアや人気のWebサイトに直接広告を掲載する純広告・記事広告も、新規サイトの認知度向上や特定のキャンペーン時の集客に非常に効果的です。
しかし、これらの広告戦略は、費用を払い続けている期間しか効果が得られないという根本的なデメリットがあります。広告の出稿を止めれば、その瞬間に集客効果は失われ、費用をかけた努力が自社の資産として残りません。
ブログ記事のコンテンツや獲得した被リンクが長期的にWebサイトの価値を高め、資産として積み上がっていくのに対し、広告は言わば「一時的な借り物」のようなものです。広告に依存した集客は、予算が尽きれば途絶えてしまうため、持続的な成長や安定した集客基盤の構築には不向きと言えるでしょう。
長期的な視点で見れば、広告はあくまで補助的な役割として活用し、コンテンツSEOやSNS運用など、継続的に資産となるマーケティング施策に力を入れることをおすすめします。
まとめ
新規で制作し公開されたWebサイトは、それ自体が自動的に集客や成果を生み出すツールではありません。むしろ、公開は新たなスタートラインであり、そこからが本当の勝負です。検索エンジンの評価を獲得し、ターゲットとなるユーザーに認知してもらい、最終的にビジネスの成果に繋げるためには、継続的かつ戦略的なアプローチが不可欠です。
Webサイトは「制作して終わり」ではなく、「育てていく」必要があるのです。
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